(宮城県精神保健福祉協会機関誌2018 巻頭言より) | |
精神科診療所と宮精診 | |
「臨床医はおそらく誰でもと思うが、個人開業への希望を心のどこかに持っている。一生、地面の一画に貼りつけにあうというマイナスにあっても、ある一定地域の人々のために奉仕しつつ、かつ自分の腕をためす自分だけの場所を持ちたい。その願望が、充分とはいえぬにしても幾分満たされるときがわが国の精神科医にも近づいている。」(笠原嘉:精神科医のノート 1976) ライシャワー事件(1964)の翌年、精神衛生法が一部改正されました(昭和40年改正)。地域精神医療の促進が図られることになり、通院医療費公費負担(現:自立支援医療費支給認定)の制度が創設されます。さらに1972年に精神療法が1回40点で算定できるようになり、1977年に200点に引き上げられました。これらによって運営の基盤を得た精神科診療所が全国に広がっていきます。冒頭に引用した文章は、この機運に希望を得た精神科医の当時の心情を伝えるものです。1974年に日本精神神経科診療所協会(日精診)が150名の会員で結成され(現在約1700名)、宮城県精神神経科診療所協会(宮精診)は1987年に9名の会員で結成されました(2018年現在56名、48診療所)。 精神科診療所にはさまざまなタイプがあります。整理すると、1)精神科単科型のなかに①神経症から認知症まで広く診るタイプと、②児童思春期やてんかん、あるいは漢方や特殊な精神療法などに特化して診るタイプがあり、2)かかりつけ医型のなかに③元々は精神科の場合と、④本来は身体科の場合があり、これに開業形態(個人かグループか病院のサテライトか)と多機能性(訪問、通所、入所の併設)を絡めれば、精神科診療所の多様な形態を概ねご理解いただけると思います。 ただ、精神科診療所は、運営する医師の考え方や思いがそのまま反映するため、きわめて個性的です。その個性を活かしつつ、疾患概念さえも見直しが進む精神医学の先端知識を学び、また地域精神医療の担い手として地に根を張るような活動の一端を担わなくてはなりません。宮精診は会員間の親睦を深めると同時に、研修会を行うなど相互の専門性を高め、幅広く関係機関と連携し、地域の精神保健福祉活動に協力して、より良い精神科医療を提供できるように努めています。 具体的には市民講演会と心の健康相談(年3回)、宮精診講演会(年3回)、児童思春期メンタルヘルス研修会(年1 回)、産業メンタルヘルス研究会(年1回)などの講演会や研修会に加えて、精神科救急医療体制整備への協力や東日本大震災支援活動も行っています。なお、ホームページで会員診療所の特徴、機能、専門分野などの情報を公開しています(http://miyaseishin.jp/)。 宮城県には相澤宏邦先生や白澤英勝先生をはじめ、多くの先生方が築いてこられた地域精神保健の伝統的なネットワークがあります。宮精診としても先達の思いを受け継ぎながら連携し、貢献して参りたく、 今後ともご支援、ご協力を宜しくお願い申し上げます。 |
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宮城県精神神経科診療所協会 会長 山崎 英樹 |
■宮城県精神神経科診療所協会 役員名簿(2022年4月現在)
役職 | 氏名 | 所属 |
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会長 | 山崎 英樹 | いずみの杜診療所 |
顧問 | 原 敬造 | 原クリニック |
顧問 | 千葉 健 | 千葉神経科内科クリニック |
副会長 | 宮城 秀晃 | 宮城クリニック |
会計 | 石井 一 | あおばの杜診療所 |
会計監事 | 西尾 幸一 | 五橋神経科クリニック |
幹事 | 宮下 伯容 | あすとながまち心身クリニック |
幹事 | 栗田 征武 | 名取駅東口クリニック |
幹事 | 荒川 英輔 | 仙台高砂駅前メンタルクリニック |
幹事 | 大友 好司 | あすと長町ひまわりこころのクリニック |
幹事 | 佐藤 宗一郎 | 富谷ファミリーメンタルクリニック |
幹事 | 松本 和紀 | こころのクリニックOASIS |
■事務局
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